んが、円朝《ゑんてう》には分《わか》りません。大病《たいびやう》でも自分で死ぬと覚悟《かくご》をし、医者《いしや》も見放《みはな》した事も知つて居《を》り、御看病《ごかんびやう》は十分に届《とゞ》き、自分も最《も》う死ぬと諦《あきら》めが附《つ》いてしまつても、とろ/\と病気《びやうき》労《づか》れで寝附《ねつ》いた時に、ひよいと間《あひだ》に眼《め》が覚《さ》める事が有《あ》ります。男「いやア……大層《たいそう》広《ひろ》い……こりやア原《はら》のやうな処《ところ》だ……おや僕《ぼく》は丈夫《ぢやうぶ》だが、此間《このあひだ》佐藤進先生《さとうすゝむせんせい》が迚《とて》もむづかしいと云《い》つたよ、それから妻《さい》が心配して、橋本先生《はしもとせんせい》に診《み》て貰《もら》つたら何《ど》うだらうと云《い》ふから、診《み》て貰《もら》つたが、橋本先生《はしもとせんせい》に診《み》て戴《いたゞ》いてもむづかしいと云《い》はれた、さういふ御名医方《ごめいゝがた》が見放《みはな》すくらゐの病気《びやうき》だから、僕《ぼく》も覚悟《かくご》をして居《ゐ》たけれども、少し横になつてうと/\
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