2−3]…サア此の瘻《せむし》のような字は何とか云ったッけねえお前《めえ》さん、此の字は何と云いましたッけ」
手「へい、どれでございます、へい、それはまいらせそろという字で」
兼「そう/\、まいらせそろだ、それにしても何が損じたのか訳が分らねえが、えゝと……その折は、また折の事だ喰わなければよかった……持《もち》びょうおこり……おごりには違《ちげ》えねいが、持《もち》びょうとは何の事だか…あつく御《おん》せわに…相成り…御きもじさまにそんじ※[#「まいらせそろ」の草書体文字、42−8]……又損じて瘻のような字がいるぜ、相摸《さがみ》の相《さが》という字に楠正成《くすのきまさしげ》の成《しげ》という字だが、相成《さがしげ》じゃア分らねえし、又きもじさまとア誰の名だか、それから、えゝと……あしからかす/\御《おん》かんにん被下度候……何だか読めねえ」
手「お早く願います」
兼「左様《そう》急《せ》いちゃア尚分らなくならア、此のからす/\かんざえもんとア此間《こねえだ》御新造が来た夕方の事でしょう」
手「そんな事が書いてございますか」
兼「あるから御覧なせえ、それ」
手「こりゃ
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