魚へん+君」、21−8]《めばる》に※[#「「陸」の「こざとへん」に代えて「魚」」、第3水準1−94−44]《むつ》、それでなけりゃア方頭魚《あまでい》と毎日の御馳走が極っているのに、料理|方《かた》がいろ/\して喰わせるのが上手だぜ」
 長「そういうと豪気《ごうぎ》に宅《うち》で奢ってるようだが、水洟《みずッぱな》をまぜてこせえた婆さんの惣菜《そうざい》よりア旨かろう」
 兼「そりゃア知れた事だが、湯治とか何とか云やア贅沢が出るもんだ」
 長「贅沢と云やア雉子《きじ》の打《うち》たてだの、山鳩や鵯《ひよどり》は江戸じゃア喰えねえ、此間《こねえだ》のア旨かったろう」
 兼「ムヽあれか、ありゃア旨かった、それに彼《あ》の時喰った大根《でいこ》さ、此方《こっち》の大根は甘味があって旨《うめ》え、それに沢庵もおつだ、細くって小せえが、甘味のあるのは別だ、自然薯《じねんじょ》も本場だ、こんな話をすると何《なん》か喰いたくなって堪らねえ」
 長「よく喰いたがる男だ、折角疵が癒りかけたのに油濃《あぶらッこ》い物を喰っちゃア悪いよ」
 兼「毒になるものア喰やアしねいが、退屈だから喰う事より外ア楽《た
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