を開《ひら》くと、祝融《しゅくゆう》の神に憎まれて全焼《まるやけ》と相成ったじゃ、それからというものは為《す》る事なす事|※[#「易+鳥」、第4水準2−94−27]《いすか》の嘴《はし》、所詮《しょせん》田舎では行《ゆ》かんと見切って出府《しゅっぷ》いたしたのじゃが、別に目的もないによって、先ず身の上を御依頼申すところは、龜甲屋様と存じて根岸をお尋ね申した処、鳥越へ御転居に相成ったと承わり、早速伺ったら、いやはや意外な凶変、実に驚き入った事件で、定めて此方《こなた》にも御心配のことゝ存ずるて」
 由「まことにお気の毒な事で、何とも申そう様《よう》がございません、定めてお聞でしょうが、お宅《うち》へお出入の指物屋が金に目が眩《く》れて殺したんですとサ」
 玄「ふーむ、不埓千万な奴で……実に金が敵《かたき》の世の中です、然るに愚老は其の敵に廻《めぐ》り逢おうと存じて出府致した処、右の次第で当惑のあまり此方《こなた》へ御融通を願いに出たのですから、何卒《どうか》何分」
 由「はい、折角のお頼みではございますが、此の節は実《まこと》に融通がわるいので、どうも」
 玄「でもあろうが、お手許《ても
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