二日でございます」
 奉「して見ると柳の懐妊の分ったのは、寛政四年の四月で、幸兵衛が初めて龜甲屋へまいったのは同年五月二日じゃな、それに相違あるまいな」
 茂「へい」
 由「間違いございません」
 奉「そうして其の出生《しゅっしょう》いたした小児は無事に成長致したか、何うじゃ」
 由「くり/\肥《ふと》った好《い》いお坊さんでございましたが、御新造のお乳が出ませんので、八王子のお家《うち》へ頼んで里におやんなさいましたが、間も無く歿《なくな》ったそうでございます」
 奉「その小児を八王子へ遣る時、誰《たれ》がまいった、親半右衛門でも連れてまいったか」
 由「いゝえ、旦那様はお産があると間もなく、慥か二十日正月の日でございました、急な御用で京都へお出でになりましたから、御新造が御自分でお連れなされたのでござります」
 奉「柳|一人《いちにん》ではあるまい、誰《たれ》か供をいたして参ったであろう」
 由「はい、供には良人《やど》が」
 奉「やどとは誰《だれ》の事じゃ」
 茂「へい私《わたくし》が附いてまいりました」
 奉「帰りにも其の方同道いたしたか」
 茂「旦那が留守で宅《うち》が案じら
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