たび/″\》間違うからお父《とっ》さんが長二という名をお命《つ》けなすったんだが、是にも訳のある事で、お前の手の人指《ひとさしゆび》が長くって中指と同じのを御覧なすって、人指の長い人は器用で仕事が上手になるものだから、指が二本とも長いというところで長二としよう、京都の利齋親方の指も此の通りだから、此の小僧も仕立てようで後には名人になるかも知れないと云って、他の職人より目をかけて丁寧に仕事を教えてくだすったので、お前斯うなったのじゃアないか、それに又お前のお母が歿《なくな》った時、お父さんや清五郎さんや良人《うちのひと》で行って、立派に葬式《ともらい》を出して上げたろう、お前は其の時十七だッたが、親方のお蔭で立派に孝行の仕納めが出来た、此の御恩は死んでも忘れないと涙を流してお云いだというじゃアないかね、元町へ世帯《しょたい》を持つ時も左様《そう》だ、寝道具から膳椀まで皆《みん》なお前お父さんに戴いたのじゃアないか、此様なことを云って恩にかけるのじゃアないが、お前左様いう親方を袖にして、自分から縁切の書付を出すとア何うしたものだえ、義理が済むまいに、お前考えてごらん、多くの弟子の中《うち》
前へ 次へ
全165ページ中103ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング