一|日《にち》断食《だんじき》をしました、一|心《しん》が届《とゞ》いたものと見えます。×「ムヽウ、まゝ此位《このくらゐ》な目出度《めでた》い事はないぜ。梅「へえ誠に有難《ありがた》う存《ぞん》じます……あなたは何方《どちら》のお方《かた》で。×「フヽヽ何方《どちら》だつて、お前《まへ》毎日《まいにち》のやうに宅《うち》へ来《き》てえるぢやアねえか、大坂町《おゝさかちやう》の近江屋金兵衛《あふみやきんべゑ》だよ。梅「へえ、是《これ》は何《ど》うも誠にへえゝ……あなたは其様《そん》なお顔でございましたか。近江屋「フヽヽ其様《そん》なお顔と云《い》ふものもねえもんぢやアねえか、何《なに》にしても眼《め》の明《あ》いたは共に悦《よろこ》ばしい、ま結構《けつこう》な事で。梅「へえ有難《ありがた》う存《ぞん》じます、毎度また御贔屓《ごひいき》になりまして……これは何《なん》です、一|体《たい》にかう有《あ》るのは……。近江屋「成程《なるほど》な、眼《め》のない人が始めて眼《め》の明《あ》いた時には、何尺《なんじやく》何間《なんげん》が解《わか》らんで、眼《め》の前《さき》へ一|体《たい》に物《も
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