小春「お前《まへ》は眼《め》が開《あ》いてちよいと子柄《こがら》を上《あ》げたよ、本当《ほんたう》にまア見違《みちが》いちまつたよ、一人で来《き》たのかい、なに近江屋《あふみや》の旦那《だんな》を、ムヽ失《はぐ》れて、然《さ》うかい、ぢやア何処《どこ》かで御飯《ごぜん》を食《た》べたいが、惣《そう》ざい料理《れうり》もごた/\するし、重《おんも》りする処《ところ》も忌《いや》だし、あゝ釣堀《つりぼり》の師匠《しゝやう》の処《ところ》へ往《ゆ》かうぢやアないか。梅「へえゝ釣堀《つりぼり》さまとは。小「何《なん》だね釣堀《つりぼり》だね。梅「有難《ありがた》い……私《わたし》は二十一|日《にち》御飯《ごぜん》を食《た》べないので、腹《はら》の空《へ》つたのが通《とほ》り過《す》ぎた位《くらゐ》なので、小「ぢやア合乗《あひの》りで往《ゆ》かう。と是《これ》から釣堀《つりぼり》へまゐりますと、男女《なんによ》の二人連《ふたりづれ》ゆゑ先方《せんぱう》でも気《き》を利《き》かして小間《こま》へ通《とほ》して、蜆《しゞみ》のお汁《つけ》、お芋《いも》の※[#「睹のつくり/火」、第3水準1−87−5
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