りき》だ。梅「へえゝ眼《め》の見えない中《うち》は却《かへ》つて驚《おどろ》きませんでした、何《ど》うでも勝手にしねえと云《い》ふ気《き》が有《あ》りましたから、眼《め》が明《あ》いたら何《なん》だか怖《こは》くツて些《ちつ》とも歩けません。近「それぢやア車《くるま》に乗《の》せよう、然《さ》うして浅草《あさくさ》の観音《くわんおん》さまへ連《つ》れて往《ゆか》う。と是《これ》から合乗《あひの》りで、蔵前通《くらまへどほ》りから雷神門《かみなりもん》の際《きは》で車《くるま》を下《お》り、近「梅喜《ばいき》さん、是《これ》が仲見世《なかみせ》だよ。梅「へゝえ何処《どこ》ウ……。近「なアにさ、ここが観音《くわんおん》の仲見世《なかみせ》だ。梅「何《なに》かゞございませう玩具店《おもちやみせ》が。近「べた玩具店《おもちやみせ》だ。梅「どれが……。近「あの種々《いろん》なものを玩具《おもちや》と云《い》ふのだ。梅「へえゝ……種々《いろん》な物《もの》が有《あ》りますな、此間《このあひだ》ね山田《やまだ》さんの坊《ぼつ》ちやんが持《も》つていらしつたのを私《わたし》が握《にぎ》つたら、玩具《お
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