の家内《かない》は、時々《とき/″\》私《わたし》が貴方《あなた》の処《ところ》へお療治《れうぢ》に参《まゐ》つて居《ゐ》ると迎《むか》ひに来《き》た事もありますが、私《わたし》の女房《にようばう》は今のやうな好《い》い女《をんな》ですか。近「ウフヽヽ、アハヽヽ梅喜《ばいき》さん腹《はら》ア立《た》つちやアいけないよ、お前《まへ》ん処《とこ》のお内儀《かみ》さんは失敬《しつけい》だが余《あま》り器量《きりやう》が好《よ》くないよ。梅「へえゝ何《ど》んな工合《ぐあひ》ですな。近「フヽヽ何《ど》んな工合《ぐあひ》だツて……あ彼処《あそこ》へ味噌漉《みそこし》を提《さ》げて往《い》く何処《どこ》かの雇《やと》ひ女《をんな》が有《あ》るね、彼《あれ》よりは最《も》う少し色が黒《くろ》くツて、ずんぐりしてえて好《よ》くないよ。梅「彼《あれ》より悪《わる》うございますと、それは恐入《おそれい》りましたな、私《わたくし》は美人だと思つてましたが、器量《きりやう》の善悪《よしあし》は撫《なで》たツて解《わか》りません……あ……危《あぶね》えなア、何《な》んですなア……是《これ》は……。近「人力車《じん
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