もちや》だと仰《おつ》しやいましたが、成程《なるほど》さま/″\の物《もの》が有《あ》りますよ、此方《こつち》も玩具《おもちや》……彼方《あつち》も玩具《おもちや》、其《そ》の隣《となり》も玩具《おもちや》、あゝ玩具《おもちや》を引張《ひつぱ》つて伸《のば》して居《を》ります。近「フヽヽあれは飴《あめ》やだよ。梅「へえゝ成程《なるほど》、此方《こつち》は。近「人形屋《にんぎやうや》。梅「向《むか》うのは。近「料理茶屋萬梅《れうりぢややまんばい》といふのだ。梅「あら/\。近「見《みつ》ともねえなア、大きな声《こゑ》であらあらと云《い》ひなさんな。梅「あれは。近「絵草紙《ゑざうし》だよ。梅「へえゝ綺麗《きれい》なもんですな、撫《なで》て見ちやア解《わか》りませんが、此間《このあひだ》池田《いけだ》さんのお嬢《ぢやう》さまが、是《これ》は絵《ゑ》だと仰《おつ》しやいましたが解《わか》りませんでした。梅「おゝ突当《つきあた》りやがつて、気《き》を附《つ》けろい、盲人《めくら》に突当《つきあた》る奴《やつ》が有《あ》るかい。近「眼《め》が明《あ》いて居《ゐ》るぢやアないか。梅「ヘヽヽ今日《けふ》
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