みやまつ》といふ茶屋《ちやや》よ。梅「へえゝ……これは甃石《しきいし》でございませう。近江屋「おや/\よく解《わか》つたね。梅「へえ是《これ》は下駄《げた》を履《は》いて通《とほ》ると、がら/\音がしますから解《わか》りますが、是《これ》は盲人《まうじん》が歩きいゝやうに何処《どこ》へでも敷《し》いて有《あ》るのでせう。近江屋「なアに社内《しやない》ばかりだアね、そろ/\出掛《でか》けようか。梅「へえ有難《ありがた》う存《ぞん》じます、只今《たゞいま》杖《つゑ》を持つてまゐりませう。近「もう杖《つゑ》も要《い》らねえから薬師《やくし》さまへ納《をさ》めて往《い》きな。梅「へえ誠に有難《ありがた》う存《ぞん》じます……へえゝ何《ど》うも日本晴《につぽんば》れがしたやうだてえのは、旦那《だんな》さま此事《このこと》でございませう、本当に有難《ありがた》いことで。近「まア芽出度《めでた》かつた。梅「旦那《だんな》々々《/\》これは何《なん》でげす。近「生薬屋《きぐすりや》の看板《かんばん》だよ。梅「あれは……。近「糸屋《いとや》の看板《かんばん》だ。梅「へえゝ……あれは。近「人が見て笑つてる
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