》といつて名を附《つ》ける訳《わけ》ではないが、弗《どる》の二ツ位《ぐらゐ》は呉《く》れるさうでございます。然《しか》るに其《そ》の作者先生《さくしやせんせい》、物に気《き》の附《つ》かん先生でございまして、茫然《ぼんやり》として居《を》りますから使賃《つかひちん》をやらない。書林《ほんや》の小僧《こぞう》が怒《おこ》つて、あんな吝嗇《しみつたれ》な奴《やつ》はありやアしない、己《おれ》が行《ゆ》く度《たび》に使賃《つかひちん》を呉《く》れた事がない、自分の家《うち》ならばもう行《ゆ》きやしないと思つても、奉公《ほうこう》の身《み》の上《うへ》だから仕方《しかた》がなく、マア使《つかひ》にも行《い》かなければならない。其次《そのつぎ》行《い》つた時に、腹《はら》が立ちましたからギーツと表《おもて》を開けて、廊下《らうか》をバタ/″\駈出《かけだ》して、突然《いきなり》書斎《しよさい》の開《ひら》き戸《ど》をガチリバタリと開《あ》けて先生の傍《そば》まで行《ゆ》きました、先生は驚《おどろ》いて先「誰《だれ》だえ。小「へえ今日《こんにち》は。先「何《なん》だ、人が書物《かきもの》をして居《
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