お父さん今日は……えへゝゝ、いえ何う致しやしてどうせ序が有りやすから、何《な》んでげすねお筆さんは親孝行でお前|様《さん》はお仕合せで本当に御運が好いんで、えへゝゝ」
孫「なに然《そ》うでも有りませんのさ」
勘「此んな好い子を持ったのは貴方の御運が宜《い》いのでさア」
孫「なに運が善《よ》い事も有りアしません、今じゃア腰が脱《ぬ》けて仕舞って何《なん》の役にも立たなく成ってますから、併《しか》し毎度有難うございます、娘《これ》一人で何事も手廻りません処を貴方が水を汲んで下さったり、其の上御親切に姐さんが又度々気を注《つ》けて下物《おかず》を下さり、誠に有難う存じますお蔭で親子の者が助かります、貴方姐さんに宜しく仰しゃって下さいまし」
勘「じゃア姉さん汲んで上げよう」
と井戸端へ行って水を手桶に三杯も汲んで遣りました。
筆「ちょいと/\勘次さん少し待って下さい」
勘「え何《なん》です」
筆「少し上げたいものが有りますから、手拭の貰ったのがあるんです」
勘「又手拭をかえ……此の間も貰ったのに…」
筆「いえ詰らんのですが持って行って下さいよ」
是から千代紙で張《はっ》て
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