政談月の鏡
三遊亭圓朝
鈴木行三校訂編纂
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)外題《げだい》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)余程|六《むず》ケしい
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)うけ[#「うけ」に傍点]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)チョン/\
ふし/″\(濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」)
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一
政談月の鏡と申す外題《げだい》を置きまして申し上《あぐ》るお話は、宝暦《ほうれき》年間の町奉行で依田豐前守《よだぶぜんのかみ》様の御勤役中に長く掛りました裁判でありますが、其の頃は町人と武家《ぶげ》と公事《くじ》に成りますと町奉行は余程|六《むず》ケしい事で有りましたが、只今と違いまして旗下《はたもと》は八万騎、二百六十有余|頭《かしら》の大名が有って、往来は侍で目をつく様です。其の時の江戸の名物は、武士、鰹、大名小路、広小路、茶見世、紫、火消、錦絵と申して、今の消防方は四十八組有って、火事の時は道路が狭いから大騒ぎです、焼
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