ブラ/\遊んでばかり居る癖に」
金「遊んでやアしない、己が今湯屋の前を通り掛ると人が立って居るから、何うしたんだてえと、浪人者の姉さんがなコレ/\てえから慌てゝ帰《けえ》って来た…おゝ清左衞門さんか、此方《こっち》へお這入り、大変な事が出来た」
清「へえー何う云うお間違いで」
金「今家内に小言を云ってる処ですが、お筆さんと湯へ行《ゆ》く約束をしてお筆さんが誘って下さると、丁度客が来て居たもんですから、お筆さん一人で柳原町《やなぎはらまち》の湯へ行くと、本郷町の桂庵の婆ア、意地の悪そうな奴で妾の周旋《しゅうせん》をしたり何《なに》かしていけない奴です、其奴《そいつ》がお筆さんに己の巾着を取ったって、板の間から直《すぐ》に上《あが》って来てお筆さんの袂へ手を突ッ込んでお筆さんの袂から巾着を引出すと、僅かな金でも……腹ア立《たっ》ちゃアいけない、取ったと云うのではない、是には何か理由《いりわけ》の有る事だろうと思うが、今帰って、家内《これ》へ厳《やかま》しく小言を申して居る処で、お筆さんを奥へ連れてってなだめて居る内に、お筆さんが居なくなったのだが、桂庵婆アに突合《つきあわ》して掛合え
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