を宅《うち》へ入れる積りですが、当人が厭だと云うかも知れませんが、お前様の血統《ちすじ》だから是非此の家《や》を継《つが》せるより仕方は無いが、嫁が悪いといけないよ、それが本当の子で無いから私が心細いよ、お前さんには身内だから竹は宜《い》いが嫁の根性が悪いと竹さんまで嫁に捲《まか》れて仕舞って、訝《おか》しな了簡に成って親不孝をされた日にア大変だよ、お前さんが長生きをしてお呉んなされば宜いが若《も》し眼でも眠った後《あと》は大変だよ、だから嫁の宜いのが欲しいね」
 金「欲しいたって無いよ、縁ずくだから」
 蓮「裏に居る売卜者《うらないしゃ》の浪人の娘は好《い》い器量だね」
 金「うむ、彼《あれ》は何《ど》うも無いのう、品格と云い、親孝行でな、彼《あ》の娘《こ》に味噌漉《みそこし》を提げさせるのは惜しいものだ、お父《とっ》さんはヨボ/\してえるがまだ其んなに取る年でもないようだが、寒さ橋《ばし》の側へ占いに出るのだが可哀想だのう」
 蓮「あの娘《こ》を貰い度《た》いもんだね」
 金「貰い度いたって先方《むこう》も一人娘だから」
 蓮「其処《そこ》を工夫してさ」
 金「工夫たって一人子《ひ
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