の、悪い事は悪いこと、善悪《よしあし》共にお上《かみ》は明らかにお調べなさる処だから、全体お前大金を貰った時にねえ、ちょいと私にでも話をすれば直《すぐ》に訴えて仕舞えば何も仔細ないのだ、彼《あ》の娘《こ》は他人の物を取る様な娘じゃアないが、私の長家から縄付きに成って引かれる者が有っては家主の恥辱《はじ》だが、なに彼の娘はお前を大切にして親孝行な子だから、何《ど》んなそれア穏密方《おんみつがた》が来て調べたって長い間のお前の煩いを介抱した様子から皆《みんな》世間で知って居るから早晩《いまに》彼の子も罪が免《ゆ》りて帰れようから然う泣いてばかり居ちゃアいけない、身体に障ると悪いから余《あんま》り心配をせぬがいゝ」

        九[#「九」は底本では「八」と誤記]

 親父は涙をこぼしまして、
 孫「はい、有難う、私《わたくし》は此様《こん》な業病《ごうびょう》に成りましたもんだから、彼《あれ》が私を介抱するので内職も出来ませんゆえ追々其の日に追われ、何も彼《か》も売尽して仕方がない処から、彼が私に内証で袖乞に出る様な事に成ったので、斯《こ》う云う災難に出会ったかと思いますと、私《わた
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