実《じつ》に何《ど》うも豪《えら》い木口《きぐち》を入《い》れやはつて恐入《おそれいり》ました、上方《かみがた》から吉野丸太《よしのまるた》や嵯峨丸太《さがまるた》を取寄《とりよせ》ての御建築《ごけんちく》とは豪《えら》いものや、実《じつ》は何御商法《なにごしやうはふ》をなさるのかと考《かんが》へてゐました、中《なか》には彼《あ》れは無職業《しもたや》さんや、ナニさうぢやない質屋《しちや》さんや抔《など》云《い》うて色々《いろ/\》お噂《うはさ》を云《い》うて居《ゐ》やひやりましたが、何《ど》うも世辞屋《せじや》さんとは恐入《おそれい》つたもんです、段々《だん/″\》承《うけたま》はれば蓄音器《ちくおんき》から御発明《ごはつめい》になつたと云《い》ふ事を聞きましたが豪《えら》いもんや、何《ど》うしても是《これ》からの世界に世辞《せじ》と云《い》ふものは無ければならぬ、必要《ひつえう》のものぢや、と云《い》ふ所にお心を附《つ》けて蓄音器《ちくおんき》から斯《か》ういふ発明《はつめい》をなさると云《い》ふは、当家《こちら》の御主人《ごしゆじん》に夫《それ》だけの学問《がくもん》もなければな
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