》へでもお使《つかひ》に来《き》たらお寄《よ》んなせえ、私《わつし》は歌舞伎座附《かぶきざつき》の茶屋《ちやや》で武田屋《たけだや》の兼吉《かねきち》てえもんです、何日《いつ》でもちよいと私《わつし》をお喚《よ》びなさりやア好《よ》い穴《あな》を見附《みつ》けて一|幕位《まくぐらゐ》見《み》せて上《あ》げらア、何《ど》うも大《おほ》きに有難《ありがた》うがした。大層《たいそう》お世辞《せじ》がよくなつて帰《かへ》りました。入違《いれちが》つて這入《はい》つて来《き》たのは、小倉《こくら》の袴《はかま》を胸高《むなだか》に穿締《はきし》めまして、黒木綿紋付《くろもめんもんつき》の長手《ながて》の羽織《はおり》を着《ちやく》し、垢膩染《あぶらじみ》たる鳥打帽子《とりうちばうし》を被《かぶ》り、巻烟草《まきたばこ》を咬《くは》へて居《ゐ》ながら、書生「ヤー御免《ごめん》なさい。若「へい入《い》らつしやいまし、何卒《どうぞ》此方《こちら》へ…。書生「アー僕《ぼく》はね開成学校《かいせいがくこう》の書生《しよせい》ぢやがね、朋友《ほういう》共《ども》の勧《すゝ》めに依《よ》れば何《ど》うも君《き
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