なさるツてえましたら親方《おやかた》がさう云《い》ひましたよ、夫《それ》ア当然《あたりめえ》よお前《まへ》のやうな痴漢《ばか》とは違《ちが》ふ、ちやんと勧善懲悪《くわんぜんちようあく》の道理《だうり》がお解《わか》りになるから飽《あ》かずに見て居《ゐ》らつしやるのだ、若《も》し其道理《そのだうり》が解《わか》らなければ退屈《たいくつ》して仕舞《しま》ふ訳《わけ》ぢやアないか、と云《い》はれて見ると成程《なるほど》と思つて愈々《いよ/\》恐入《おそれいり》ましたんでエヘヽヽちやんと何《ど》うも眼《め》も放《はな》さずに見て居《ゐ》らつしやるなんて本当《ほんたう》に違《ちが》ひますな、イエまだ早うごす、左様《さやう》でげすか、入《い》らつしやいますか、ぢやアお兼《かね》どんお蒲団《ふとん》とお煙草盆《たばこぼん》をヘイ行《い》つていらつしやいまし」。主人「エヽ此辺《このへん》では如何《いかゞ》でござります。客「エヽ是《これ》は宜《よ》うがす、ナニ一|両《りやう》だとえ大層《たいそう》安いね、お貰《もら》ひ申《まうし》て置《お》きやせう、小僧《こぞう》さんまた木挽町《こびきちやう》の方《はう
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