》う云《い》つてますの、まア二階へお上《あが》んなさいましよ、まアさ其様《そん》な事を云《い》はずに彼《あれ》を喚《よ》んでおやんなさいよ、でないと若い妓《こ》を一人殺しちまふやうなもんです、本当《ほんたう》に貴方《あなた》は芸妓殺《げいしやころし》ですよ、まアちよつと二階へお上《あが》んなさいよ」。主人「エヘヽヽ此手《このて》では如何《いかゞ》でございます。婦人「成程《なるほど》是《これ》は頓《とん》だ宜《よ》うございますね、ぢやア之《これ》を一つ戴《いたゞ》きませうか。帯《おび》の間《あひだ》から紙幣入《さついれ》を出して幾許《いくら》か払《はらひ》をして帰《かへ》る時に、重い口からちよいと世辞《せじ》を云《い》つて往《ゆ》きましたから、大《おほ》きに様子《やうす》が宜《よろ》しうございました。其後《そのあと》へ入違《いれちが》つて這入《はいつ》て来《き》ましたのが、二子《ふたこ》の筒袖《つゝそで》に織色《おりいろ》の股引《もゝひき》を穿《は》きまして白足袋《しろたび》麻裏草履《あさうらざうり》と云《い》ふ打扮《こしらへ》で男「エヽ御免《ごめん》なさい。若「へい、入《い》らつしやい
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