とまア旦那《だんな》貴方《あなた》の今日《けふ》のお召《めし》の好《よ》いこと、結城《ゆふき》でせう、ナニ節糸織《ふしいとおり》、渋《しぶ》い事ね何《ど》うも、お羽織《はおり》のお色気《いろけ》と取合《とりあひ》の好《よ》いこと、本当《ほんたう》に身装《なり》の拵《こさへ》は旦那《だんな》が一|番《ばん》お上手《じやうず》だと皆《みんな》がさう云《い》つてるんですよ、あのね此春《このはる》洋服《やうふく》で入《い》らしつた事がありましたらう、黒の山高帽子《やまたかばうし》を被《かぶ》つて御年始《ごねんし》の帰《かへり》に、あの時は何所《どこ》の大臣《だいじん》さんが入《い》らしつたかと思つた位《くらゐ》ですよ、本当《ほんたう》に旦那《だんな》は何《なに》を召《め》しても能《よ》くお似合《にあひ》なさること、夫《それ》に旦那《だんな》はお優《やさ》しいから年寄《としより》でも子供でも、旦那《だんな》は入《い》らつしやらないか、入《い》らつしやらないか、とお慕《した》ひ申《まうし》ます所が誠に不思議だ、あれだけ何《ど》うも旦那《だんな》は萬事《ばんじ》に御様子《ごやうす》が違ふんだと然《さ
前へ 次へ
全25ページ中11ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング