菓子を紙に包んで子供にあてがい、
ふみ「おや有難うございます、お構いなすって下さいますな、有難う存じます」
美「おや可愛らしい事ね、女のお子さん、お何歳《いくつ》に成ります」
ふみ「はい七歳《なゝつ》でございます、豐と申します」
美「おゝそう親の無い方《かた》は温順《おとな》しいもんですね、可愛いじゃないか何うも、お少《ちい》さい方《ほう》は」
ふみ「はい男でございまして、三歳《みッつ》で新太郎と申します」
美「そう、温順しい事ね、叔母ちゃん処《とこ》に今夜は最う遅いから泊ってお出でよ、泊っても宜《い》いかい」
豐「あゝお母《っか》ちゃん、あの叔母ちゃんが泊れと仰しゃるから泊るよ、泊っても宜いかえ」
ふみ「いえもう穢《きたな》い姿で……何うかお邪魔に成りませんお台所《だいどこ》の隅にでもお寐《ね》かしなさって、今居ります安泊りのような、あんな穢い処《とこ》に居るものでございますから、只|夜《よ》を明かさしてさえ頂けば……これ、そう戴いて直《すぐ》に食べるものではない、お行儀の悪い……久しくお菓子も買って食べさせる事が出来ませんから……こんな育て様は致しませんが、この頃はがつ/\致しまし
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