こ》の茶の黒《くろっ》ぽい縞《しま》の布子《ぬのこ》に縞の前掛に、帯は八王子博多を締めて、商人然としている。かた/\の方は南部の乱立《らんたつ》の疎《あら》っぽい縞の小袖、これは芸妓の時の着替をふだん着に卸したと云うような著物《きもの》に、帯が翁格子《おきなごうし》と紺の唐繻子《とうじゅす》と腹合せの帯を締めて、丸髷に浅黄鹿子《あさぎかのこ》の手柄が掛って、少し晴々《はで/\》しい商人の細君然たるこしらえでも自然に垢が脱《ぬ》けて居ります。仲の善い夫婦で、思いに思った仲でございますから、お飯《まんま》を食べても物を衝《つゝ》き合って食べるが面白いという間柄です。三八も馴染だから、
庄「さ此方《こちら》へ」
三「旦那追々御繁昌で」
庄「此の間は何うも何ですな、池の端の方へ小僧に持たして遣りました時に多分に買って下さって」
三「いや何でも多量《たんと》という訳には往《ゆ》きませんが」
庄「なに些《ちっ》とずつでも度々《たび/\》買ってくれる人が有れば善《よ》いので」
三「大変に何うも、いえ評判が宜うがす、一つは此方《こちら》の御新造が御器量が美《い》いからお茶の色がよく出ますとね」
美「あ
前へ
次へ
全113ページ中97ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング