い事が有りますぜ、旦那が一番贔屓にしてくれた人という者は何で美代吉さんです、是が運の善い人で、自分が惚《ほれ》た男に請出されて、蠣殻町に居たのだが、越して新らしく此の頃建った家を借りて、それが今|御徒町《おかちまち》一丁目の十六番地へ葉茶屋を出しました、松山園《まつやまえん》とかいう暖簾《のれん》を出して、亭主《おやだま》の方が坊ちゃん育ちの善い人だから、それに美代ちゃんは旦那に御贔屓になったんですから………分らねえ奴は有松屋の婆《ばゞア》さ、何だかぐず/\云いやがって、否《いや》なら止《よ》しやアがれとも云わないが………それとちがい是は大丈夫だ、先方《むこう》が大きいから二十円や三十円は出してくれるかも知れないが、まアあなたを連れてって見せなくてはいけない」
ふみ「何ともお礼の申し上げ様もございません」
三「何う致しまして、何《なん》にしろ跣足《はだし》じゃア往《い》けません、何に仕ましょうか、車をそう云ってお呉れ、此の嬢ちゃんと合乗《あいのり》に乗って三人に成ります、それ故に三人乗ってそろ/\挽《ひ》いて、僕は贅《むだ》だからぼつ/\下駄を穿《は》いて歩いて往く方が便利だ」
と親
前へ
次へ
全113ページ中95ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング