腹からの車挽《くるまひき》じゃアあるまい家《うち》は何処だい」
車「家は無《ね》えんで、ふてっくされ猪武者《いぬしゝむしゃ》、取っただけは飲んでしまっても仲間の交際《つきあい》と云うものは妙なもんで、何うか斯うか腹ア空《へ》れば飯い食ってまア……無理にという訳じゃアないんでげすが、お互に時節柄斯ういう訳になって車ア挽くんで」
美「酔って居るからお止しなさいよ、御飯《ごぜん》を食べさせて帰しましょう、酔って車ア挽けやしない、お内儀さんを一寸《ちょっと》呼んで、別に車を誂えましょう」
庄「お前往って呼んで来な、手を叩くと旦那じみて極りが悪いから、一寸往ってお出で、(美代吉の跡を見送り)若衆《わけいし》」
車「えい」
庄「煙管を己が買おうが、今は持合せが無《ね》えんだ、己と一緒に………家内が居るから家内の前《めえ》で高い煙管を何で買うかと思われても困る、金を他に借りる処《とこ》が有るから、己が一人でお前《めえ》の車へ乗るから、往ってくれゝば金を借りて渡すから、此の煙管と引替に売って下せい」
車「宜しゅうございます……御新造さんは知らねえのか……いや承知いたしました、万事心得ました」
庄「そん
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