いのかとんと分りませんが、先達《せんだっ》て博識《ものしり》の方に聞いたら、前を剃りましたのは首実検の為に剃ったので、大将へ首実検いたさするに指を髻《もとゞり》に三本入れた時に(右の手にて攫む)斯《こ》う髻を取って大将の前に備える時に死顔《しにがお》が柔かに見える、前が剃って有ると又|髻《たぶさ》を掴《つか》むにも掴み易いと云うので、前髪《まえ》を剃上げて見せたということだから、以前《せん》の頭は余《あんま》り縁起の好《よ》い頭じゃアございません、首実検のための[#「ための」は底本では「ため」]頭だと云います、それから追々剃りまして糸鬢奴《いとびんやっこ》が出来ましたが、清元本多《きよもとほんだ》と申して幇間《たいこもち》やなんかは石垣に蜻蛉《とんぼ》の止ったような頭に結いましたもの、只今では散髪《ざんぎり》に成ったから、風《ふう》の変え様が有りませんが、此方《こちら》(右)に曲《まげ》るとか、或《あるい》は左の方に撫付けたが宜かろう、中央《まんなか》から取って矮鶏《ちゃぼ》の尾《おしり》の様な形《なり》に致して粋《すい》だという、團十郎刈《だんじゅうろうがり》が宜《よ》いとか五分刈《
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