、私はあの方に御贔屓になった事がございますから、その中《うち》又願いに出ましょう、貧乏人にはお薬をたゞくれるてえんでございますから、私が頂いてまいりましょう、それはお上手な事は、お医者さんがわるいと伊藤さんにかゝると云うくらいだから、内瘴《そこひ》が眼が明いて駈け出したり何《なん》かするんで、何うも不思議じゃア有りませんか、それにお嬢ちゃんも七歳《なゝつ》にお成んなさりゃア学校に入れて教育しなくては、そして御親類と申すのは何ういうなんです」
ふみ「はい、私の兄で元徳川の士族でございまして、大西徳左衞門《おおにしとくざえもん》という者の総領で、この兄の名は徳造と申して、これも峯樹院様の御用達をして百俵も頂いて居りましたが、放蕩無頼で、蔵宿《くらやど》には借財も出来、頂戴物やら先祖の遺物《ゆいもつ》まで何も彼《か》も遣い果し、終《しまい》には私の身体まで売ろうとして、私を騙《だま》して悪い処《とこ》へ沈めようと掛りましたくらいの磊落者《らいらくもの》でございます、それでもたった一人の兄でございますから、また相談に乗らない事も有るまいと浜から出て来て見ますと、昨年の九月四日谷中の蛍沢という処
前へ
次へ
全113ページ中102ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング