凾「で、只|緩々《ゆる/\》と変ったお方と碁を打つのが何よりの楽《たのし》みとは、お年若《としわか》に似合わぬ御風流なことでござりますな」
殿「風流を好む女子《おなご》には、時として然《そ》ういう者もあるの」
蟠「時に御前、始めてのお手合せでござりますから、何か勝ちました者に御褒美を出すとしては如何《いかゞ》でございましょう」
殿「それも宜《よ》いの」
蟠「御前が万々《ばん/\》お負けなさる気遣《きづか》いはありますまいが、万一お負けなすったら、えゝ斯《こ》うと……金子《きんす》……金子は些《ち》と失礼なようではございますが、外《ほか》に是れという心付きもござりませんから、矢張金子がお宜しゅうござりましょう、また瀧村殿が負けました時は、金子という訳にもまいりませず、はてな其の外の品々を差上ぐるも失礼、こうと、困りましたな、何か御前また御所望《ごしょもう》もござりましょうから、何《なん》なりお好みにお任せ申すとして、其の辺は取極めぬ方がお宜しゅうござりましょう」
殿様は婦人の珍客ですから余程悦に入《い》って居ります様子。
蟠「何《ど》うも御前様、毎度まいります度《たび》に御酒
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