lった細《ほっ》そり姿、一目見ても気味の悪くなるような婦人でございます。
殿「宜《よ》う先生おいでたな」
蟠「これは/\御前様、此方《こなた》は予《かね》て申上げました御殿女中瀧村様でござります」
殿「おゝ左様か」
とにこ/\御機嫌の態《てい》。
蟠「さア瀧村様|此方《こちら》へ、御当家の御前様であらせられます、お近附に」
瀧「はい左様でございますか、始めて拝顔を得まして辱《かたじ》けのう存じます、私《わたくし》は瀧村と申します不束者《ふつゝかもの》、何《ど》うか宜《よろ》しゅう」
という挨拶振《あいさつぶり》の芝居掛りなるに蟠龍軒は笑いを洩らして、
蟠「はゝゝ、奥女中の御挨拶は些《ち》と芝居めきますな、さて御前、お約束のお碁でございますが、私《わたくし》は瀧村殿に二目《にもく》置きますから、丁度御前様とはお相碁《あいご》でございましょう」
殿「いや、それは/\、なか/\強いの」
蟠「何《ど》うも御前、世の中には種々《いろ/\》の気性の方もあったもので、瀧村殿には僅《わずか》に三日や四日のお宿下《やどさが》りに芝居はお嫌い、花見|遊山《ゆさん》などと騒々しいことは大
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