後の業平文治
三遊亭圓朝
鈴木行三校訂編纂


−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)此の度《たび》

|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)御維新|前《まえ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#「しら」に傍点]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)すじ/\
   さん/″\(濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」)
−−


  一

 えゝ此の度《たび》は誉《ほま》れ高き時事新報社より、何か新作物を口演致すようとの御註文でございますから、嘗《かつ》て師匠の圓朝《えんちょう》が喝采《かっさい》を博しました業平文治《なりひらぶんじ》の後篇を申上げます。圓朝師が在世中、数百の人情噺《にんじょうばなし》を新作いたしました事は皆様が御承知であります。本篇は師が存生中《ぞんしょうちゅう》、筋々《すじ/\》を私《わたくし》にお話しになりました記憶の儘《まゝ》を申上ぐる次第であります。そも私《わたくし》が師匠の門に入《い》りましたのは御維新|前《まえ》で、それから圓橘《えんきつ》となりま
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