ス腕を捩上《ねじあ》げ、同役|二人《ににん》が振下《ふりおろ》す刀の下へ突付けました。はっと思って二人《ににん》が退《さが》る途端に身を交《かわ》して空《くう》を打たせ、素早く掻潜《かいくゞ》って一人《いちにん》の利腕を捩上げ、尚《な》お一人《ひとり》が、「小癪なことを為《し》やがる」と横合《よこあい》より打込み来る其の間《ま》に、以前に捩上げたる下役の腕を反《かえ》して前へ突放したから耐《たま》りませぬ、同役同志|鉢合《はちあわ》せをして二人《ににん》ともに打倒れました。残りし一人《ひとり》が又々|抜刀《ぬきみ》を取直し、「無礼なやつ」と打掛る下を潜って一当《ひとあ》て当てますと、脂《やに》を甞《な》めた蛇のように身体を反らせてしまいました。此奴《こいつ》容易ならぬ曲者なりと、平林は手早くも玄関の長押《なげし》に懸けてありました鉄砲へ火縄《ひなわ》を挟《はさ》み、文治へ筒口を向けましたから、文治は取って押えた両人を玉除《たまよけ》に翳《かざ》し、
文「さア打つなら打って見ろ」
と袖下に忍んで様子を窺《うかゞ》って居りまする。流石《さすが》の平林も如何《いかん》とも詮方《せんかた》
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