vい付いたと見えまして、
 主「やア旦那様、よくまア……ほんにマア宜《よ》く御無事でお帰りなさいましたなア、何《ど》うして助かりやしたえ、あの時|私《わし》があれ程お前様《めえさま》に、ありゃア海賊の手下だと申しやしたのに、何《なん》でもお前様ア見物に往《い》くだってお出でなさりやしたが、それきりお帰りが無《ね》えから、いくらお侍でも殺されたんべえと思っていやしたが、宜くまア帰ってござらしった、お目出度《めでと》う存じます」
 文「いや、あの二人の舟人と親船までまいらぬ内に難船してな」
 主「へえー難船しなすったかえ」
 文「どうせ魚の餌食《えじき》と覚悟して船の漂うまゝに任したのが、却《かえ》って幸いとなって無人島《むにんとう》へ着きましてな」
 主「へえ、無人島、それから何《ど》うしなすった」
 文「いやはや無人島でさん/″\難儀いたしました」
 主「まア、そりゃア飛んだ事でござりやした、お同伴の船頭二人は何《ど》う為《な》せえましたね」
 文「お前のいう通りあの二人も海賊の手下であった」
 主「それ御覧なせえ、それだから私《わし》があんなに止めたのに到頭《とうとう》強情をお張りな
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