sとむら》い申すことも適《かな》いませず、人も通わぬ山奥でむざ/\相果《あいはて》るとは、何《なん》たる不孝でございましょう、くれ/″\もお許し下さいまし、たま/\御両親のお鑑識《めがね》にて、末頼もしき夫を持ちましても、運|拙《つたな》くして重なる不幸、今頃|何処《どこ》に何《ど》うしておいでなさるやら、但しは山賊のためにお果てなされしか、私《わたくし》は不幸にも斯《か》かる深山《みやま》に流浪の身、一粒の米もなければ居所もなし、此の儘|餓死《うえじに》いたすでございましょう、不孝な娘とお叱りなきよう、くれ/″\も願いまする、先程無法な振舞をした剣客者《けんかくしゃ》というは、面《おもて》は素《もと》より知りませぬが、江戸の者といい、又大伴……万一|敵《かたき》ではないか知らん……たとえ敵であればとて、先程の手並では迚《とて》も及ばぬ女の悲しさ、寧《いっ》そ辱《はずか》しめられぬ其の内に、おゝ左様《そう》じゃ左様じゃ、此の身を汚《けが》しては其れこそ自害にまさる不孝不義、旦那様お免《ゆる》し下さいまし」
 と覚悟の折柄、がさ/\音がしまするので、瞳を定めて見ますると、例の大熊でござい
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