d立てました、高麗青皮の胴乱《どうらん》、金具は趙雲の円形《まるがた》、後藤宗乘の作、確かにも/\外《ほか》に二つとない品でござります、口惜《くや》しい事をしましたな、それと知ったら早くお上《かみ》へ訴えて、敵《かたき》を取ってやるのに、神ならぬ身の知るよすがもなく、皆さんに苦労を掛けたのは口惜しいなア」
 森松と國藏は膝を叩いて
 「こいつア話が面白くなって来た」
 喜「いや文治殿、その蟠龍軒なら少し聞込んだことがござる、拙者|主家《しゅうか》の御領分|越後《えちご》高田《たかた》よりの便《たより》によれば、大伴蟠龍軒|似寄《により》の人物が、御城下に来《きた》りし由、多分越後新潟辺に居《お》るであろうと思われます」
 文「さて/\悪運というものは永く続かぬものじゃなア、然《しか》らばお国表の様子を聞合せ、直ぐさま出立いたすでありましょう」
 喜「それなら此方《こちら》に伝手《つて》がありますから、早速屋敷へ帰り、お国表を調べた上、お知らせ申す事に致しましょう」
 文「それは辱《かたじけ》ない、何分《なにぶん》宜しく」
 一同「さア、いよ/\面白くなって来たぞ」
 と皆々腕を撫《さす
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