同道してまいったか、一つ白状して後《あと》を隠しては何《なん》にもならんぞ」
友「どの様な御吟味を受けましても、外《ほか》に頼んだ者はございませぬ」

  三

 林藏は少しく気を焦立《いらだ》ちて、
 林「これ汝《われ》がな、私《わたくし》一人の仕事でございますなどとしら[#「しら」に傍点]を切っても、うむそうかと云って済ますような盲目《めくら》じゃア無《ね》え、よく考えて見ろよ、手前《てめえ》のような痩男《やせおとこ》に、剣術|遣《つか》いの屋敷へ踏込《ふんご》み三四人の人殺しが出来る仕事かえ、さアいよ/\申上げねえか、旦那に申上げて少し叩いて見ようか」
 友「何《なん》と云われても私《わたくし》一人の仕業に相違ございません」
 立「もし/\友さん、お前|何《ど》うしたんだ、気が違やアしねえか、旦那様え、なか/\此の人一人でそんな事の出来る訳はございません、全く大疵のために気が違ったに相違ございません…おい友さん、確《しっ》かりしなよ」
 林「えゝ黙れ、旦那様、此奴《こいつ》はなか/\一筋縄じゃア白状しませんぜ、一つ叩きましょうか」
 小「まア林藏待て、下手人《げしゅにん》は友之助
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