「へえ、それは何ういう訳で」
數「松蔭は堅い男、岩越は柔術家《やわらとり》」
五「へえ成程中々ちょっくら分りませんが誠に恐入りました事で、早くお三味線を」
とお座付《ざつき》が済み、後《あと》は深川の端唄《はうた》で賑《にぎや》かにやる大分興に入《い》った様子、御家老も六十|近《ぢか》いお年で、初めて斯ういう席に臨みましたので快く大分に召上りました。
數「お前のお蔭で私《わし》は斯様《こん》な面白い事に逢ったのは初めてだ、実に堪《たま》らんな、又《ま》た其の中《うち》来たいものだ」
大「何うか御在府中御遠慮なくおいで下されば、清左衞門は如何《いか》ばかりの悦びか知れません、芸者は孰《どれ》がお気に入りました」
數「皆|宜《よ》いの、其の中《うち》にも彼《あれ》が好《よ》いの、小まんに雛吉か」
大「彼《あれ》が御意に入りましたら、今度はお相手に前々《ぜん/″\》から頼み置きまして、呼寄せるように致しましょう」
數「それは誠に辱《かたじけ》ない、大きに酔うたな、殿様は御病気での」
大「へえ/\私《わたくし》も大きに心配を致して居ります」
數「併《しか》し私《わし》が顔を御覧があってから、
前へ
次へ
全470ページ中454ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング