》かし、御用の間を欠き、不届《ふとゞき》の至りと有って、權六は百日の遠慮を申付かりました、未《いま》だ其の遠慮中の身をも顧《かえり》みず、夜な/\お屋敷内を廻りまして宜しい儀でござるか、權六に何のお咎めもなく、私《わたくし》の兄へお咎めのあると云うのは、更に其の意を得んことゝ心得ます、何ういう次第で遠慮の者が妄《みだ》りに外出をいたして宜しいか、其の儀のお咎めも無くって宜しい儀でござるなれば、陪臣の勘八がお庭内を廻りましたのもお咎めはあるまいかと存じます」
目「うむ…權六其の方は百日遠慮を仰付けられていると、只今四郎治の申す所である、何故《なにゆえ》に其の方は遠慮中妄りにお庭内へ出た」
權「えゝ」
目「何故に出た」
權「遠慮というのは何ういう訳だね」
目「何う云う訳だとは何だ、其の方は遠慮を仰付けられたであろう」
權「それは知っている、知っているが、遠慮と云うのは何を遠慮するだ、私《わし》が有助を押えてお役所へ引いて出ました時は、お役人様が貴方と違って前の菊田《きくた》様てえ方で、悪人の有助ばかり贔屓いして私をはア何でも彼《か》んでも、無理こじつけに遣《や》り込めるだ、さっぱり訳が分ら
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