ているのさ」
縫「えゝ御新造様え、こんな事をお勧め申すと、なんでございますが、他《わき》から頼まれて、余《あんま》りお安いと存じまして持って出ましたが、二枚小袖の払い物が出ましたので、ま此様《こん》な物を持って出たり何かして、済みませんが、出所《でどこ》も確かな物ですから、お目にかけますが、それに八丈の唐手《もろこしで》の細いのが一枚入って居ります、あとは縞縮緬《しまちりめん》でお裏が宜しゅうございます、お平常着《ふだんぎ》に遊ばしても、お下着に遊ばしても」
村「私は古着は嫌いだよ」
縫「左様でございましょうが、出所《でどころ》が知れているものですから」
村「じゃア出してお見せ」
縫「畏《かしこ》まりました」
とお次《つぎ》から包を持ってまいり、取出して見せました。唐手の縞柄は端手《はで》でもなく、縞縮緬は細格子《ほそごうし》で、色気も宜うございます。
村「大層|好《よ》い縞だの」
縫「誠に宜うございます」
村「これは何《ど》の位というのだえ」
縫「これで先方《むこう》じゃア最《もう》少し値売《ねうり》をしたいように申して居りますが、此の書付でと申すので」
村「二枚で此の値段書《ねだ
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