たが、なか/\何う致しまして、水飴の中へ毒などは入れられません、透《す》いて見えます極製《ごくせい》でございますから、へえ、なか/\何う致しまして、其様《そん》なことは……御免遊ばして下さいまし」
と泣声を出し涙を拭《ぬぐ》う。
秋「何故《なぜ》泣く」
源「私《わたくし》は涙っぽろうございます」
秋「涙っぽろいと云っても何も泣くことはない、別段仔細は無いから……左様な事は致すまいなれども、また御舎弟様付とお上屋敷の者と心を合せて、段々手前も存じて居ろうが、どうも御舎弟さまを邪魔にする者があると云うのは、御癇癖《ごかんぺき》が強く、聊《いさゝ》かな事にも暴々《あら/\》しくお高声《こうせい》を遊ばして、手打にするなどという烈《はげ》しい御気性、乃《そこ》でどうも御舎弟様には附《つき》が悪いので上屋敷へ諂《へつら》う者も多いが、今大殿様もお加減の悪い処であるから、誠に心配で、万一《もしも》の事でもありはせんか、有った時には御順家督《ごじゅんかとく》で、何うしても御舎弟紋之丞様を直さねばならん、ところがその、此処《こゝ》に婆《ばゞあ》が居っては……他聞を憚《はゞか》ることじゃ……婆が聞いて
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