て構ってくれては困る、世間へ知れんように」
婆「心配ごぜえませんからお構えなく」
秋「左ようか……其の包を其の儘|此方《こっち》へ出してくれ」
婆「はい」
秋「これ婆ア、是は詰らんものだが、ほんの土産《みやげ》だ、是《こ》れは御新造《ごしんぞ》が婆アが寒い時分に江戸へ出て来る時に着る半纏《はんてん》にでもしたら宜かろう、綿は其方《そっち》にあろうと云って、有合せの裏をつけてよこしました」
婆「あれアまア……魂消《たまげ》ますなア、此様《こん》なに戴きましては済みませんでごぜえます、これやい此処《こゝ》へ来《こ》う忰や」
忰「へえ御免なせえまし……毎度《めえど》ハヤ婆《ばゞ》が出まして御贔屓になりまして、帰《けえ》って来ましちゃア悦んで、何とハア有難《ありがた》え事で、己《おれ》ような身の上でお屋敷へ出て、立派なアお方さまの側で以てからにお飯《まんま》ア戴いたり、直接《じか》にお言葉を掛けて下さるてえのは冥加《みょうが》至極だと云って、毎度《めいど》帰《けえ》りますとお屋敷の噂ばかり致して居ります、へえ誠に有難い事で」
秋「いや/\婆《ばゞア》に碌に手当もせんが、今日は少し迷惑だろうが、
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