っけ》えて種子《たね》え投込んで、担《のき》へ釣下げて置きましたから、銭も何も要《い》らねえもんでごぜえますが、思召《おぼしめし》が有るなら十六文でも廿四文でも戴きたいもんで」
秋「是はほんの心ばかりだが、百|疋《ぴき》遣る」
婆「いや何う致しまして、殿様|此様《こん》なに戴いては済みません」
秋「いや、取《とっ》とけ/\、お飯《まんま》を喫《た》べさせてやろう」
 と是からお飯《まんま》を喫べさせて帰しました。さて秋月喜一郎は翌日|野掛《のがけ》の姿《なり》になり、弁当を持たせ、家来を一人召連れて婆《ばゞア》の宅を尋ねてまいりました。彼《か》の田端村から西の方へ深く切れてまいると、丁度東覚寺の裏手に当ります処で。
秋「此処《こゝ》かの、……婆《ばゞア》は在宅《うち》か、此処かの、婆はいないか」
婆「ホーイ、おやおいでなせえましよ、さ此処《こゝ》でござえますよ、ままどうも…今朝《けさ》っから忰も悦んで、殿様がおいでがあると云うので、待《まち》に待って居りました処でござえます、何卒《どうぞ》直《すぐ》にお上《あが》んなすって……お供さん御苦労さまでごぜえました」
秋「其の様に大きな声をし
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