に会わしてくれんか」
婆「はい、殿様は彼《あ》の飴屋の御亭主を御存じで」
秋「いや/\知らんが、少し思うことがある、それゆえ貴様の家《うち》へ往《い》くんだが、貴様の家は二間《ふたま》あるか、失礼な事を云うようだが、広いかえ」
婆「店の処《とこ》は土間になって居りまして、折曲《おりまが》って内へ入るんでがすが、土間へは、薪《まき》を置いたり炭俵を積んどくですが、二間ぐれえはごぜえます、庭も些《ちっ》とばかりあって、奥が六畳になって、縁側附で爐《ろ》も切ってあって、都合が宜うごぜえます、其の奥の方も畳を敷けば八畳もありましょうか、直《すぐ》に折曲って台所になって居ります」
秋「そんなら六畳の方でも八畳の方でも宜《よ》いが、その処《ところ》に隠れていて、飴屋の亭主が来た時に私《わし》に知らしてくれ、それまで私を奥の方へ隠して置くような工夫をしてくれゝば辱《かたじ》けないが、隠れる処があるかえ」
婆「はい、狭《せも》うござえますし、それに殿様が入らっしたって、汚くって坐る処もないが、上《うえ》の藤右衞門《とうえもん》の処《とこ》に屏風《びょうぶ》が有りますから、それを立廻《たてまわ》してあげ
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