様な事でも貴方のお言葉は背きません、不束《ふつゝか》な者で、迚《とて》もお側にいるという訳には参りませんが、御飯焚《ごはんたき》でもお小間使いでも、お寝間の伽《とぎ》でも仕ようという訳だ」
○「へえー、此奴《こいつ》ア矢張《やっぱり》然《そ》ういう事があるんでげしょう、へえー、なア……鐵やい、左官の松《まつ》の野郎が火事の時に手伝って、それから御家様《ごけさま》の処《とけ》え出入《でへえ》りをし、何日《いつ》か深い訳になったが、成程然ういう事がありましょう、それから何うしました」
侍「然《そ》ういう訳なれば宜しい、助太刀をして慥《たし》かに本意を遂げさせて遣ろうと受合うと、女は悦んで、あゝ有難う草葉の蔭において両親も嘸《さぞ》悦びましょうと、綺麗な顔で真に随喜の涙を流した」
○「へえー芋売《いもがら》見たような涙を」
侍「なに有難涙《ありがたなみだ》を」
○「へえ成程それから何うしました」
侍「ところで同衾《ひとつ》に寝たんだ」
○「へえー甚《ひど》いなア……成程、鐵ウもっと前へ出ろ、大変な話になって来た」
向座敷で手をぽん/\と打つと、又候《またぞろ》下女がまいって、
下婢「皆さん
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