す」
宗「併《しか》しどうも女一人では行《ゆ》かれんことで、何ともお気の毒な事だ、じゃアまア美作の国といえば是《こ》れ百七八十里|隔《へだ》った処、私《わし》が送る訳にはいかんが、今更見棄てることも出来ないが、美濃の南泉寺までは是非|行《ゆ》かんければならん、東海道筋も御婦人の事ゆえ面倒じゃ、手形がなければならんが、何うか工風《くふう》をして私がお送り申したいが、困った事で、兎に角南泉寺まで一緒に行《ゆ》きなさい、彼方《あっち》の者は真実があって、随分俗の者にも仏心《ぶっしん》があってな、寺へ来て用や何《なん》かするからそいらに頼んだら美作の方へ用事があってまいる者があるまいとも云えぬ、其の折に貴方を頼んでお国へ行《ゆ》かれるようだと私も安心をします、私は坊主の身の上で、婦人と一緒に歩くのは誠に困る、衆人《ひと》にも見られて、忌《いや》な事でも云われると困る、けれども是も仕方がないから、ま行《ゆ》きなさるが宜《よ》い、私は本庄宿《ほんじょうじゅく》の海禅寺《かいぜんじ》へ寄って一寸《ちょっと》玄道という者に会って、それから又美濃まで是非|行《ゆ》きますから御一緒にまいろう、それには木曾
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