快くねえから、遺恨に思ってお前《めえ》を鉄砲で打殺《ぶちころ》す心になったら何うするだえ」
竹「困るね、だけども私はお前に身を任せる事は何うしても出来ない身分だもの」
早「出来ないたって、病人が死んでしまえば便りのない者で困るというから、家《うち》へ置くべいと思って、人に話をしたのが始まりだよ、どうも話が出来ねえば出来ねえで宜《え》いから覚悟をしろ、親父が厳《やか》ましくって家《うち》にいたって駄目だから、やるだけの事をやっちまう、棒鼻《ぼうばな》あたりへ待伏せて鉄砲で打《ぶ》ってしまうから然《そ》う思いなせえ」
竹「まアお待ちなさい」
 と止めましたのは、此様《こん》な馬鹿な奴に遇《あ》っては仕様がない、鉄砲で打《う》ちかねない奴なれど、斯《かゝ》る下郎に身を任せる事は勿論出来ず、併《しか》し世に馬鹿程怖い者はありませんから、是は欺《だま》すに若《し》くはない、今の中《うち》は心を宥《なだ》めて、ほとぼりの脱《ぬ》けた時分に立とうと心を決しました。
竹「あの斯うしておくれな私のようなものをそれ程思ってくれて、誠に嬉しいけれども、考えても御覧、たとえ家来でも、あゝやって死去《なくな》っ
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