《と》って宜《え》い時分だに、男振も好《よ》し何処《どこ》からでも嫁は来るだが、何故嫁を娶ってくれねえかと、父さまを悪く云って、お前《めえ》の方を皆《みん》な誉《ほ》めている、男が好《い》いから女の方から来るだろう」
早「来るだろうって……どうも……親父が相談ぶたねえから駄目だ」
久「相談ぶたねえからって、お前《めえ》は男が好《い》いから娘《むすめ》を引張込《ひっぱりこ》んで、優しげに話をして、色事になっちまえ、色事になって何処《どこ》かへ突走《つッぱし》れ……己《おら》の家《うち》へ逃げて来《こ》う、其の上で己が行って、父さまに会ってよ、お前も気に入るめえが、若《わけ》え同志で斯ういう訳になって、女子《おなご》を連れて己の家へ来て見れば、家も治《おさま》らねえ訳で、是も前《さき》の世に定まった縁だと思って、余《あんま》り喧《やか》ましく云わねえで、己が媒妁《なこうど》をするから、彼《あれ》を※[#「女+息」、第4水準2−5−70]子《よめっこ》にして遣《や》ってくんろえ、家に置くのが否《いや》だなら、別に世帯《しょたい》を持たしても宜《え》いじゃアねえかという話になれば、仕方がねえと
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