えから、汝《われ》が己《おら》ア親父に会って話を打《ぶ》って、彼《あ》の娘《あま》を貰うようにしちゃアくんめえか」
久「然《そ》うさなア、どうもこれはお前《めい》ん処《とこ》の父《とっ》さまという人は中々道楽をぶって、他人《ひと》のいう事ア肯《き》かねえ人だよ、此の前《めえ》荷い馬へ打積《ぶっつ》んで、お前《めえ》ん処《とこ》の居先《みせさき》[#「居先」は「店先」の誤記か]で話をしていると、父さまが入《はえ》り口《ぐち》へ駄荷《だに》い置いて気の利かねえ馬方《むまかた》だって、突転《つッころ》ばして打転《ぶっころ》ばされたが、中々強い人で、話いしたところが父さまの気に入らねえば駄目だよ、アハー」
早「欠伸い止せよ……これは少しだがの、汝《われ》え何ぞ買って来るだが、夜更《よふ》けで何にもねえから、此銭《これ》で一盃《いっぺい》飲んでくんろ」
久「気の毒だのう、こんなに差し吊《つる》べたのを一本くれたか、気の毒だな、こんなに心配《しんぺい》されちゃア済まねえ、此間《こねえだ》あの馬十《ばじゅう》に聞いたゞが、どうも全体《ぜんてえ》父さまが宜くねえ、息子が今これ壮《さか》んで、丁度嫁を娶
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