は読めねえ様子だが、銭金《ぜにかね》の少しぐれえ入《い》るような事があって困るなら、沢山はねえが些《ちっ》とべいなら己が出して遣るべえ」
五「何だ、これ、お客様に失礼な、お前《まえ》がお客さまに金を出して上げるとは何だ、そんな馬鹿な事をいうな」
早「父《ちゃん》は何ぞというと小言をいうが、無ければ出してくれべえと云うだから宜《よ》かっぺえじゃアねえか」
五「其様《そん》な事ア何うでも宜《い》いから、早く洪願寺へ行って願って来い」
是から息子がお寺へ行って和尚に頼みました。早速得心でございますから、急に人を頼んで、早四郎も手伝って穴を掘り、真実にくれ/\働いて居ります。丁度其の晩の事でございますが、宿屋の主人《あるじ》が、
五「へえ娘《ねえ》さん、えゝ今晩の内にお葬りになりますように」
竹「はい、少し早いようでございますが、何分宜しゅう……多分に手のかゝりませんように」
五「宜しゅうございます、其の積りに致しました、何も多勢《おおぜい》和尚様方を頼むじゃアなし、お手軽になすった方が、御道中ゆえ宜しゅうございましょう」
と親切らしく主人《あるじ》が其の晩の中《うち》に、自分も随《つ》い
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